【家づくり】思うこと
こんにちは!
M-1 HOMEのマネージャーです!
今日は、意外というか、建築関係者の人でも知らないことは全く知らないというお話です。
まず、私M-1HOMEマネージャーは、建築士でもなければ大工さんでもなく
住宅会社の「営業マン」です。
意匠設計や構造設計は建築士がして、施工は大工さんや電気屋さんなどの
職人さん、業者さんがしております。
それでもお施主様との窓口は私なので、なるべくご要望を叶えられるように
より良い暮らしが手に入るように提案をして毎日家づくりについての勉強をしております。
もう、本当に毎日勉強をしています!
自分は設計もできないし、施工もできないからそれを補うために他の実務者の倍以上
勉強をして、お施主様に有益な情報、提案をすることが当たり前だと思っています。
だからなのか勉強をしていない他の工務店さんや、営業に来た業者さんと話していて
「あれ?それって正しくないんじゃない?」と思うことが多くあります。
例えば、先日私たちのような小さい工務店に対して、営業方法などを総合的に
コンサルティングする会社さん(社名は言いません)が営業にこられたときの話です。
こういった工務店コンサルのお話はよくあることです。
私はすでに自身の営業方法や自社の家づくりの方向性を決めておりますので、
コンサルは必要ないとお断わりしたのですが、なかなか引き下がらないので
話だけは聞きますということになりました。
聞くところによると、元々大手ハウスメーカーの幹部をされていた方だそうで、
この会社の取締役だと言うので、聞いていると...
どうやら、営業や経営のコンサルというよりかは
「家づくりの考え方を教えている」
という会社さんでした。内容は下記のようなことです。
みたいな感じのことを1時間くらいパワポを使って見せていただきました。
そして、この考え方をお客さん(エンドユーザー)に伝える方法を教えるから
この方法を約500万円で買ってくださいとのこと。
すでに何百社も購入しており、実践しているとのこと。
私は共感する部分もありながらも、色々と疑問に思ったことを下記のように質問しました。
など、他にもたくさん質問をしましたが、まともな回答が返ってはきませんでした...
一番驚いたのは、
「耐震等級3は必須ですよね?」
という質問に対する答えが、
「耐震等級は2にして制振ダンパーを搭載すれば耐震等級3は取らなくていい」
と言われたことです。さらには
「耐震等級3を取ると建物が折れやすくなるので取らない方がいい」
とまでおっしゃられてました。
元大手ハウスメーカーの幹部で工務店コンサル会社の取締役の方がそう言うのです。
すでに何百社もこの考え方でやっているというのです。
私が思うに家づくりというのは、設計も施工も大切ですが
そもそもまずその会社の考え方、方向性、ルールが大事だと思っております。
様々な考え方があるので、とやかくは言いませんでしたが、
私の考えとは明らかに違っておりました。
耐震等級3は必須だと思っております。
その後の制振ダンパーだと思っております。
他にも私の考えとは完全に違う回答がありました。
「太陽光パネルは賛成ですが、断熱性能はどうお考えですか?」
という質問に対し、
「断熱性が無くても太陽光パネルだけで家中暖めます」
という回答でした。
「おぉ、マジか」と思いました。
断熱性能が無いということは、せっかく太陽光発電で生まれたエネルギーを
冷暖房費に使って暑いまま、寒いままということです!
そうなると、住んでいる人は冬場ずっと寒いままなのでずっとエアコンをつけます。
おそらく電気カーペットやファンヒーターも使うことになるでしょう。
断熱性が無いということは「窓」「屋根」「床下」「壁」の断熱が弱いということなので
人や家電から発せられる熱や、暖房器具からの熱も全て外へ逃げていくということです!
そうなると、いくら太陽光で発電しても、蓄電池に貯めても足りません。
私は、家自体の性能がまず最優先だと考えております。
昼間は日射取得で得た熱で暖め、太陽光発電で電気を使い、夜間は蓄電池のエネルギーで
暖房などをするような生活は良いなと思うのですが、それは躯体性能を高めるからこそ
できることです。
断熱性がなくても太陽光発電で補うなんてことは到底できないと思っております。
また「家を正圧にして気密ラインはどこで取るのか?」
という質問に対しては、あまり私の質問の意味が分からない様子でした。
よくよく壁構成を聞くと、外側の構造用パネルで気密ラインを取り、室内側には
防湿気密層は貼らないとのことでした。
ここも考え方が違いました。
しかも、気密ラインを取るパネルは何でも良いとのことでした。
つまりは透湿抵抗値が高いパネルでもよいということです。
またもや私の考えなのですが、そこまで正圧にこだわるのであれば、
長く住む住宅には向かないのでないかと思います。
防湿層をつくらず正圧を保ち、断熱性や耐震性は重視せず、
設備でまかなおうという考え方に私は一切共感できませんでした。
しかし、一番怖いのはこういう考え方でコンサルをしている会社があり、
それを信じてしまって実行している中小工務店があり、
さらにその考え方がエンドユーザー様へ渡ってしまっていることです。
サスティナブルでスマートな暮らし。
聞こえは抜群に良いです。
私も目指していることです。
しかし、本当にその住宅はスマートなのか、エコなのか、
生涯にかかるコストはどうなのか...。
そのあたりを、お施主さんが判断するのは難しいと思いますが、少しでも多く
住宅の勉強をしていただき、自分の身は自分で守る精神も持ったうえで、
私たちプロに任せていただければ幸いです。
長々と失礼いたしました。
知らないって怖いなーと思った話でした。